【高齢者のむくみと心不全】危険性の高い浮腫の見極め方と事例

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高齢者に見られる特徴的な症状として、おそらく世界共通で要注意なのが「むくみ(浮腫)」ではないでしょうか。

その症状は全身がむくんでいる酷い状態から、足がややむくんでいるという小さなものまで様々です。

介護士が高齢者のむくみ(浮腫)に気が付いたとき、どのような考えを持ち、どのように対処するべきかをフィンランド在住介護士が紹介していきます。

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高齢者のむくみの危険性

私たちが、高齢者のむくみに気が付いたとき。

まず考えなくてはいけないのが、そのむくみの原因です。病気によるものなのが、そうではないものなのかを知ることが大切になってきます。

健康な高齢者であっても

  • 同じ姿勢のまま長時間過ごす(座ったまま、いつも寝ているなど)
  • 味の濃い食べ物を好む(塩分の取りすぎ)
  • 疲れ、披露

などから、体がむくむことがあります。

このような時はストレッチや、姿勢を変える、塩分を控えるといったむくみの原因を取り除くことでむくみが改善できるでしょう。

しかし、そのむくみの原因が病気から来るものであったとき、そこには大きな危険性が潜んでいます。

なぜなら、高齢者に多く見られるむくみの原因は、心臓にあることが多いからです。

足のむくみだけならあまり心配しなくても大丈夫?な理由

 そもそもなぜ、高齢者の足はむくみやすいのでしょうか?

体の中の水分は、自然の法則にもとない下へ(足へ)と落ちていきます。

足は、その下がった水分を、また上へと押しやるポンプの役割をしています。

加齢や運動不足が原因で衰えた足の筋肉は、これらの機能を上手にこなすことができません。

足の持つ〝血巡りポンプ〟の役割が弱まると、体の水分は足にたまります。

その結果が、足のむくみです。

このようなむくみは、加齢とともに現れるごく普通の現象ですので、あまり深刻に考えない方がいいと思います。

元気だけど足がむくんで来たかな?

そう気が付いたときには

  • 食事を見直す。
  • 軽い運動を生活の中に取り入れる。
  • 寝るときに、足を高くして寝る。

などを行うことで、改善することもあります。

もちろん異常なくらいむくみが酷い場合は、医療機関に受診することをおすすめします。

危険なむくみの症状とはどんなもの?

 体がむくむのは、年を取れば当たり前に見られる症状です。

しかし、足がむくんでいる=心臓に原因があることも、多いのです。

心臓は、先ほども触れましたが、体中へ血を送り込むポンプの役割をしています。ポンプの機能が悪くなる(心不全)=血液の流れ(循環)が悪くなり、体中がむくんでしまうということに繋がります。

心不全の症状はむくみ以外にも下記のような症状が出やすくなります。

  • 動悸、息切れ
  • 呼吸困難

心不全の初期症状として、夜間の頻尿がみられることもあります。

心不全は、突然死の可能性もある怖い病気です。

しかし、早めの発見で突然死などの危険な状況を防ぐこともできます。

心不全でなくても、加齢とともに心臓のポンプ機能が衰えることでむくみ以外にも見られる症状として

疲労感

血液量が減り、筋肉が衰えてしまう。

四肢の冷え

体の先にまで血液が到達しにくくなり、手足の指先が冷たくなる。青みを帯びることもある(チアノーゼ)。

脳機能低下(物忘れなど)

脳に送られる血液が減少してしまう。

などがあります。これらの症状があることも合わせて覚えておいてください。

体のむくみが全身に現れていた場合に疑われる病気

 全身性の病気の症状として、むくみが体中、全身に見られることがあります。

  • 心臓の病気(うっ血性心不全、収縮性心膜炎など)
  • 肺高血圧症
  • 肝臓病(肝不全、肝炎)
  • 甲状腺機能低下症など

他にも、静脈などに問題があり、むくみが現れることもあります。

  • 大静脈の詰まり(上大静脈症候群)
  • 静脈にある逆流防止の弁の故障、弁不全(慢性静脈不全)など

全身に見られるむくみには、危険な病気が原因になっている可能性が高いので、気が付いたら早いうちに専門家や医者に診てもらうことをお薦めします。

むくみが招いた最悪の結末の中でも、私が特に忘れられない出来事を紹介します。介護施設利用者のTさんのお話です。

心不全が原因で全身に危険なむくみが現れた事例:Tさんの場合

私の勤める介護施設にやって来たTさんは、元病院の看護師主任でした。Tさんは、自身の知識を生かし、自分の健康にはとても気を配っていました。

Tさんが施設にやって来てから半年くらい経った頃、Tさんの体に目に見える異常な変化が起きました。

体の前身のむくみが見られたのです。

しかもそのむくみは、物凄い速さで悪化し、たった数日の間にTさんの体重は10キロ以上も増加してしまいました。

むくみが見られ始めると、Tさんは見た目以外にも、性格の変化がありました。

怒りやすく、物忘れが激しい。

そして、やたら体重測定を怖がり、拒むのです。

Tさんは、大学病院で検査・治療を受けることになり、搬送の救急車がやってきました。

急激な大幅な体重増加により、歩くことも困難なTさん。しかしTさんは、車いすも移動式ベッドもすべて拒否し、大きな声で騒ぎ暴れました。

介護士と救急士と力を合わせ、なんとかTさんを車いすに座らせ、救急車に乗せることに成功しました。

しかしTさんは、受け入れ先の病院で亡くなってしまいました。

Tさんの死因は重度の心不全でした。

Tさんの全身のむくみは、外側だけでなく内臓全体にも表れていて、内臓機能にも支障をきたしていたそうです。

Tさんの症例をもとに私が学んだことは、介護士は利用者さんの「体のすべて」に気を配る必要があるとことです。小さなむくみ、小さな症状を放置しないことです。

そのむくみは危険なのか、そうではないのかということを素早く見極めること。

大切なのは、異変や違和感に気がついたら迅速な行動をとり、早い段階で専門家に診てもらえる状況へ持っていくことです。

あれ?おかしいな?

むくむスピードが早いな?

そう思った時点で、

  • 他の介護士と話し合い
  • 病歴の確認
  • 今飲んでいる薬の確認
  • 医者の手配

などの行動に、すぐに移しましょう。

介護施設利用者の足のむくみの対応法

 介護施設で多く見られる、危険性の少ない足のむくみはどうケアすればいいのでしょうか?

むくみの軽い利用者さんにお薦めのむくみ解消法は?

■軽い運動をする

体を動かすことで、むくみ予防、改善をすることができます。

高齢者にとって体を動かすことは、リハビリにもなります。また、筋肉を動かすことで足の血液を上へと送り返す機能を、ある程度取り戻すことができます。

■マッサージで解消する

むくみ解消の他にもリラックス効果が期待できます。強くほぐすのではなく、優しく足のくるぶし辺りから膝まで撫でてあげるだけで、リンパの動きを活発にてくれます。

■体を温めること

体を温めて血行を促してあげます。

フィンランドでは、文化としてサウナがありますので、高齢者の方たちも、サウナを利用することで、血行促進とリラックス効果の両方を得ることができます。

このように、むくみには種類があり、その後ろには恐ろしい原因も隠れていることが多いです。

危険性のない軽度のむくみであるならば、その解消法として高齢者の方たちと、お散歩したり、足をマッサージしてあげたりするのもいいでしょう。

お茶やコーヒーで体を温めながらコミュニケーションを楽しみながら、むくみケアをするのはいかがでしょうか?

簡単にでき、さらに自身にもプラスになる素敵なケア方法だと思いませんか?

もし危険な重度なむくみに気が付いたら?

その原因は何なのか?

解消できる方法はないのか?

今、自分に何が出来るのか?

考えてみてください。

必ず私たちにもできることがあるはずです。

高齢者にとってむくみは、健康状況を伝える大きなシグナルです。

むくみは、毎日のコミュニケーションから気が付く事が出来るものでもあると思います。介護の仕事は忙しいものです。

その忙しさを理由に、大切なことを後回しにしてしまうことはありませんか?大丈夫、大したことはないと、個人的な自己決断をしてしまってはいませんか?

もし高齢者の方のむくみに気が付いたら、「?」と、疑問マークが頭に浮かんだら、そのままにせずに今一度、足を止めて少し考えてみませんか?

私たちが気が付き行動することで、救える命があるのですから。

この記事を書いたのは:姫岡 凜(ひめおか りん)

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