エンパワーメントって何?福祉の専門用語を解説します!

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主人公は利用者

【注目されつつあるエンパワーメントとは!?】

みなさんは「エンパワーメント」と言う言葉を聞いたことがありますか?

もともとエンパワーメントと言う言葉は、先住民や女性などの権利獲得運動の際に使われ、広まったとされる言葉です。

エンパワーメント=empowermentとは、広い意味では

・力をつけること

・能力を発揮すること

・権限を与えること

などと定義されています。

 

エンパワーメントは現在、福祉や医療分野だけでなく、教育やビジネス分野でも幅広く使われるようになりました。

教育分野では、自分自身で考え行動できる力を身に付ける。

ビジネス分野では、個人に権限を与え能力を発揮させる。

などの意味で使われています。

それぞれの分野で使い方や意味が少し異なるエンパワーメント。

医療・福祉分野ではどのような意味や使い方をされているのでしょうか?事例とともにエンパワーメントについて紹介していきます。

(介護×医療のストロークでは、実際にそのお仕事についている現場の職員や業界経験のある方に、記事を書いてもらっています。)

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【医療・福祉分野でのエンパワーメントとは!?】

医療や福祉のエンパワーメント

医療・福祉分野では、エンパワーメントとは

・人間が本来持っているとされる、内に秘めた力を引き出す・発揮できるように支援や援助を行うこと

・自らの生活を自らコントロールできること、または、自立する力を得ること

(引用:介護保険・介護福祉用語辞典 https://www.kaigoweb.com/alenpawamento.html

とされています。

 

利用者様・患者様がもともと持っているが活かせていない力や能力。

これらを有効に活用できるように促すことが、医療・福祉業界でのエンパワーメントです。

「利用者様のエンパワーメントを向上させる・発揮させる。」と言うように用いられます。

例えば、病気で入院していて筋力が低下してしまった方に対して、

→筋力や体力の回復の為にリハビリを勧める

→リハビリで本来の身体機能が回復する=利用者様のもともとの力を発揮できる。

 

このような支援エンパワーメントの簡単な例です。

【エンパワーメントの主人公は利用者様】

エンパワーメントは、利用者様が「主人公」と言う考え方が大切になってきます。

そのため支援や援助の決定権は、あくまでも利用者様本人にあります。

決して、援助者側の一方的な押しつけにならないよう注意が必要です。

医療・介護職の重要な役割は、声かけ・誘導・環境の整備などで

「利用者様の気持ちをプラスの方向に持っていく、働きかけをすること」とされています。

どうしたら利用者様の日常生活をより良いものにできるのか?

ここが医療・福祉分野のエンパワーメントの大きなポイントになります。

では、実際に私がデイサービスに勤務していた際のエンパワーメントの事例をご紹介したいと思います。

【好きなことでエンパワーメントを高める】

無気力なIさんの事例

・脳梗塞後遺症のため、ほぼ寝たきり状態

・バルーンカテーテルを留置

・飲み込みが悪く、食事はミキサー食

・誤嚥や尿路感染のため、入退院を繰り返す

 

Iさんは、食べる=誤嚥・苦しい・美味しくない

と言うイメージがあり、食べることに対して消極的でした。

「早くあの世に行きたい…」と、無気力な毎日を過ごしていました。

このままではまた入院かな?と思っていたとき、Iさんにある利用者様との出会いがありました。

好きなことへのアプローチ

音楽の先生

昔、歌の先生をしていたIさん。

その時の教室の生徒さんだったAさんが、同じデイサービスに通うことになったのです。久しぶりの再会でしたが、お互いのことを覚えていた二人。

Iさんは言語障害があったため、職員が間に入ることでAさんとの昔話に花を咲かせていました。2人の距離が近づいたため、職員が一緒に歌を歌ってはどうか?と勧めてみました。

しかしIさんは「とても歌えるような体ではない。恥ずかしい。」と最初は乗り気ではありませんでした。

そのためIさんに歌うよう無理強いはせず、Aさんの歌う歌の感想をIさんに毎回聞いてみることにしました。

Iさんの気持ちの変化

Aさんの歌を聞いているうちに、Iさんにも

「また歌いたい!」と言う気持ちが芽生えてきたようで、1人で歌を口ずさむ姿が見られ始めました。

Iさんの恥じらいが強かったため、初めは送迎の車の中で職員と2人で歌を歌うことにしました。

そこから徐々にAさんがカラオケをしていると、Iさんも一緒に声を合わせる姿も見られ始めましたのです。

しかし、Aさんと自分の歌を比べてしまい「うまく声が出ない。」とIさんはショックを受けていました。

Iさんに提案してみる

食べると言う意志

「お腹から声を出す力を付けるためにも、頑張ってご飯を食べましょう!」と提案。

ご家族と相談し、まずは食事のバランスよりも食べたい物を食べ摂取量を増やすことを目標にしました。

誤嚥も時々ありましたが、本人の「食べる」と言う意識があるだけでも飲み込みがスムーズになっていました。

レクリエーションでカラオケを行うと、ベッドで寝ていることの多かったIさんも自ら、「起こしてくれ。」と離床時間も少しずつ長くなってきました。

Iさんの日常生活

このように脳梗塞後遺症でほぼ寝たきりであったIさんに歌を通してアプローチしたところ

・無気力で生きる気力が低下していたIさん

大好きな歌を歌うように働きかける

歌いたいという気持ちが蘇る

食事摂取量のUP・離床時間の延長に繋がる

 

と言う結果に結びつきました。

無気力だったIさんの毎日に彩りを添えることができた事例です。

【利用者様の気持ちやペースを大切に】

先ほどご紹介した事例は、一見スムーズに見えるかと思います。

しかし実際には、結果が出るまでには長い月日がかかっています。

このようにエンパワーメントは、「利用者様の気持ちとペース」を大切にしなくては成功しないと思います。

小さなことからスタートし、小さな変化の積み重ねが成功の鍵となるはずですよ

利用者様の生活をより良いものに変えることができる「エンパワーメント」

特別なことではなく、日常の介護の中に常に取り入れていけるよう意識してみてはいかがでしょうか?

この記事を書いたのは:翔ママ

(介護×医療のストロークでは、実際にそのお仕事についている現場の職員や業界経験のある方に、記事を書いてもらっています。)

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