精神的ケアを重視する!無痛分娩が主流のフィンランドの出産事情

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フィンランドでは、妊娠期から出産、出産後まで日本とはとても違うスタイルのケアシステムがあります。

この記事の筆者である私もフィンランドで今年、3回目の出産を経験しましたが、3回ともまったく違った出産スタイルでした。

痛みに耐えられないからと子を持つのをためらう女性が増えつつあるフィンランドですが、今回の出産を経て、フィンランドの痛みに関する緩和ケアは始めて出産を経験した9年前に比べると、大きく改善されていると感じました。

フィンランドでの妊娠期、出産については、良くも悪くも日本とは大きく異なる事ばかりです。

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妊娠期を支えるのはNeuvola(ネウボラ)

日本では、妊娠に気が付いたら婦人科で検査をしてもらいますが、フィンランドではまずは8週目に入るまで待たなくてはいけません。

そして妊娠中から出産までの間と、小学生未満の子供の健康を支えているのがネウボラです。

※日本にはない役割の職種ですが、Neuvola(ネウボラ)は、出産についての カウンセリングも兼ねて(妊婦の健康状態を胎児の成長具合とともに観察する場所、役割)です。

8週に入るころ、私たちはネウボラに予約を取りそこで、出産までの健康管理や胎児の記録を行います。

妊娠が分かった時点で、早く受けたいと思うのが超音波検査です。

しかしフィンランドでは超音波検査は、妊娠が順調である場合は、妊娠初期の12週頃と中期の4~5か月頃の2回のみになります。

この2回の超音波検診は市が負担してくれているので無料です。

(自己負担であれば、超音波検査は何回でも自由に行えます。)

私の場合は、3人目のときに不正出血が続いたので、まずネウボラを通して、婦人科の医者へ予約を取ってもらい、婦人科での内診をうけました。

婦人科の医師からまた大学病院の婦人科へと、さらに予約を取ってもらいました。

すぐにでも検査と不正出血の原因を知りたかったのですが、時間をかけてやっと大学病院で内診、超音波検査をしてもらうことができました。

フィンランドでは、すべての医療機関に超音波検査の機械が設置されているわけではないので、医療の充実した大学病院などで検査をすることになります。

しかし、個人で予約はできないため、担当医から紹介状を出してもらうなどの遠回りをしなくてはいけません。

出産計画、出産希望用紙は不安を和らげる

妊娠期間も後半になると、ネウボラでは出産についての情報や陣痛の見分け方、出産への恐怖心がある人にはカウンセリングなど、広い範囲でのケアを行います。

出産への不安や痛みなどの恐怖心については、大学病院などで専用の外来が設置されていることもありますが、ネウボラで事前に出産計画を立てることで、ある程度の不安は取り除くことができます。

私もまた3回目であっても出産への不安が、予定日が近づくに連れて大きくなっていきました。

そのことをネウボラで相談すると、出産希望用紙をいただきました。

出産希望用紙には、出産に対する自分の考えを自由に書くことができます。

・以前の出産が難産であったなど辛い経験のあること

・痛みへの不安や、どのような緩和方法が必要か

・無痛分娩の希望

・陣痛中の痛みの緩和法、薬の利用などの希望

・出産後のカンガルーケアをするかしないか

・学生の出産中の立会についての許可、不許可

などです。

出産時、病院についたらこの出産希望用紙を病院側のスタッフに渡すことで、出産に関する自身の希望や情報を確実に、簡単に病院側に伝えることができます。

出産の始まりに気が付いたら?

出産の始まりは陣痛、破水、出血など人によって違いますが、気が付いた時点で病院に電話を入れておきます。

陣痛の始まりであれば、そのまま家で待って下さいと言われることもありますし、すぐに来て下さいと言われることもあります。

日本と大きく異なるのが破水始まりのときです。

日本では、破水があったらすぐに病院へ行き、感染症を防ぐための、抗生物質の投与などの必要性からそのまま入院になりますよね。

しかしフィンランドでは、破水で病院へ行っても、出産の兆候がまだ見られないときは、いったん家に返されることがあります。

抗生物質などの薬は、感染のリスクがある間は使いません。

そのまま病院に残って、入院しながら経過待ちになったとしても、母親の朝と夕方の2回の血液検査と体温の確認で感染を認められなければ薬は使いません。

陣痛に耐える為に重要なのは薬よりも精神的なケア

今回の出産で9年前の初めての出産と大きく違ったことの一つが、助産師の質です。

すべての助産婦が精神的なケアのスペシャリストと言えるほど、完璧な精神ケアをほどこしてくれました。

完全に痛みのない陣痛も出産もありません。

陣痛の痛みが増して、今施している痛みの緩和法が十分ではなくなった。

痛み止めの薬の効果が切れた。

など節々で大きな痛みや不安に襲われます。

そんなとき、必ず傍には助産師がいてくれます。

1人1人の痛みの波やタイミングを理解し、丁度の時間に見回りに来てくれるのです。

助産師たちは

・子宮口の状態(出産までの時間の確認)

・痛みの緩和に使用できる薬などの説明と素早い対応

・会話での精神的な安静を与える

このようなケアと共に今ある状況から、これからどのように出産まで進んでいくかを話してくれるので、妊婦のいつまで痛みに耐えなくてはいけないのか…などの不安を取り除いてくれます。

出産が近いことを知ることで、痛みに耐える気力も途切れないような支えになります。

いざ出産のときは、痛みの山はすでに超えた後

フィンランドでは無痛分娩が通常の出産になります。

出産の準備が整い、分娩室に移動するとそこで麻酔をかけてもらいます。

麻酔が効いてしまえば、今まで陣痛に耐えて来た時間が嘘のように思えるほどに楽になります。

完全に痛みを取り除いてしまうような強い麻酔ではないので、陣痛の痛みの波を感じ、それに合わせていきむことができます。

痛みをコントロールしてもらっているので、冷静に、余計な体力の消耗をすることもなく産むということだけに集中できます。

麻酔が効いていても、赤ちゃんが出て来るときはその感覚や痛みを感じることができるので、赤ちゃんの誕生がもうすぐであることもわかります。

赤ちゃんが生まれると、母親の胸の上に置かれ、母親に抱かれながらへその緒を切ってもらいます。

赤ちゃんが生まれると、母親は分娩室のすぐ隣にあるシャワールームで、かんたんにシャワーを浴びて体を綺麗にします。

その後、簡単な食事を分娩室内で取り、赤ちゃんと共に病室へ移動します。

出産後の入院期間は母子の健康状態によりますが、平均で2日ほどで、出産の次の日に退院することも可能です。

フィンランドの出産事情は、患者の健康状態を頻繁に観察することでなるべく薬には頼らず、胎児のタイミングを待ちます。

痛みには、常に精神ケアをベースに置き、それでも必要であれば温めたり、マッサージを行います。

そして、必要になったときに、その痛みに合った薬を素早くほどこします。

痛みには確かに薬での緩和が必要です。

しかし、素晴らしい精神ケアのおかげで、パニックになることも、大切な出産を辛い思い出にすることもなく、むしろ、楽しい出産であったと言えるような経験を私はさせていただきました。

確かに、破水などで感染症のリスクが発生したときは、日本のような事前のケアがリスクや不安の軽減にも大切だと思います。

しかし、フィンランドのような精神的な配慮が、日本では不足しているように思えます。

日本とフィンランドと出産事情は大きく違いますが、どちらにも良い点があり、改善点もあると言えます。

しかし自身の経験の元、私はフィンランドのスタッフが母親の心に寄り添う出産現場をとても素晴らしいと感じました。

この記事を書いたのは:姫岡 凜(ひめおか りん)

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