高齢者のむくみは危険!2つの主な原因と日頃のケアに関する注意点

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介護施設の職員として勤務していると、時に「利用者様の足がむくんでいる」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

状態がひどくなると、足がパンパンにむくんでいたり、手で触ると指の痕がしばらく残っているような状態になります。

特に高齢者のむくみは浮腫(ふしゅ)と呼ばれ、体調不良や病気などが原因でおこるものが多いといわれています。

体内の血液循環が上手くいかないというのは,

むくみだけではなく、身体の危険のサインであるともいえます。

また介護施設などでは浮腫が悪化しないように,

日頃からケアに取り組み、悪化の予防に繋げています。

今回は高齢者の浮腫についての原因や、予防に関するケア方法についてを、事例を踏まえてお伝えしていきます。

高齢者のむくみについて、ケアの参考になれば幸いです。

(介護×医療のストロークでは、実際にそのお仕事についている現場の職員や業界経験のある方に、記事を書いてもらっています。)

高齢者のむくみはなぜ起こる?

高齢者のむくみの原因

むくみには様々な要因があるといわれていますが、大きく分けて2つのポイントが考えられます。

1つ目は「体内の血液が上手く循環していない」状態です。

本来、人間の身体の中を常に血液が循環している状態です。

それが何かの原因で血液の循環が上手くできていない状態になると、血管の外側に水分がたまってしまい、むくみが起こるようになります。

特に加齢によって心臓の活動が弱くなってしまうと、血液が循環しにくくなるといわれています。

また、高齢による筋力低下や運動不足などにより、手足にむくみが起こりやすい原因のひとつになっています。

2つ目は「身体の器官の病気によるむくみ」の状態です。

高齢になると誰しもが病気を心配しますが、心臓や腎臓の機能が低下することによって、むくみが起こる可能性があります。

身体の病気によって起こるむくみの場合には命の危険も考えられますので、早急に医療機関に相談することが大切でしょう。

心臓に関する特に気をつけておきたい身体の病気は?

心臓の活動が低下してくると、血液の循環に影響がでるためにむくみが出てきやすいといわれています。

介護職員として、利用者様が患っている病気(心筋梗塞、心不全、狭心症など)は把握しておきましょう。

「ちょっと息切れがする」

「動悸が続いている」

などの訴えが見られた時には、すぐに看護師や医療機関に相談するようにしましょう。

腎臓に関する特に気をつけておきたい身体の病気は?

腎臓の病気が原因

腎臓は血液中の老廃物などを尿として排出させるという、大切な役割を持っている器官です。

腎臓の活動が低下してくると、血液中に老廃物が残ってしまい血液循環が悪くなり、むくみが出ることがあります。

心臓の病気と同様に、利用者様が患っている病気(慢性腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎炎など)には気をつけておきましょう。

「尿に濁りが混じっている」

「尿量が少ない」

などの状態が見られた時にはすぐに報告するようにしましょう。

日頃から利用者様のむくみをケアするには?

高齢者に特に多いといわれている「足のむくみ」をケアするポイントとして、介護職員ができることをお伝えしていきます。

・入浴や足浴の際に皮膚や関節のマッサージをおこない、血液の循環を促す

・利用者様に身体を動かしてもらえるようなレクリエーションを実施する

・臥床時には足の下にクッションを入れるなどし、心臓よりも高い位置に足の高さがくるようにして悪化を予防する

・椅子に座っている時には足に浮腫が起こる原因になりやすいため、別の椅子に足を載せて伸ばすようにリラックスしてもらう

・圧の強めの靴下などを着用していただき、むくみを減らす

 

上記のようなケア方法があります。

利用者様の状態によっては、ケアの方法が変わることもあります。

上司や看護師と相談しながら実施していくのがおすすめです。

糖尿病を患っている利用者様Sさんのむくみケアの事例

Sさん(女性、80歳、糖尿病、車椅子使用)は、糖尿病によって腎臓の病気も患っており、足や手に強いむくみが出ている方でした。

糖尿病による合併症は多岐にわたるといわれ、Sさんの場合は毎日血糖値を測定しながら、必要に応じてインシュリンを注射していました。

Sさんは入浴時のマッサージに加え、毎日夕食後に足浴、手浴をおこない、両足のふくらはぎに包帯を巻くというケア方法でした。

Sさんの両足は特に血行が悪く、つねにパンパンに腫れている状態でした。

マッサージは躊躇せずに強めにおこなう

私は足のむくみを見た時「触ってもSさんは痛くないのかな」と思いました。

明らかに色も通常とは異なりますし、マッサージは優しく揉むようなイメージを持っていました。

看護師に相談すると「マッサージは血液を流すように強く表面を流すようにしないといけないよ」と見本を見せてくれました。

力強く素早くマッサージを進めることにより、Sさんの足の色は黄色を帯びてどんどんと変わっていきました。

「そして包帯を巻く時には、優しく保護するイメージというよりも、靴下を履いてもらうような強さでしっかりと巻いておくことが大切だよ」

「痛みがないかどうかは利用者様と、コミュニケーションをとりながら加減していくといいよ」

というアドバイスをくれました。

Sさんの表情にも笑顔がみられ「気持ちよかった、ありがとう」と言ってくれました。

ケアの際には、勝手な判断でおそるおそる接するのではなく、上司や看護師のアドバイスを受けることで適切なケアをすることができるのだと実感した例でした。

※【むくみケアのわかりやすい動画を紹介します】

利用者様の状態に注意しながらむくみのケアを続けよう

いかがでしたか。

介護職員として勤務していると、利用者様のむくみを目にする機会は多いかもしれません。

日頃からのケアはマッサージや歩行などによる運動ケアが主体となると思いますが、利用者様の状態によってはむくみから命の危険を伴う可能性があります。

特に心臓や腎臓に関する疾患を持っている方へは、その危険性を知った上で予防対策を考えながら日頃の生活を支えてもらえればと思います。

むくみの原因を深くイメージし、みなさんがよりよい介護を提供していただけることを願っています。

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