フィンランド介護事情!高齢者の健康のためにサウナを活用

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日本以外の海外の介護事情ってどんなものなのだろうか?

介護業界のことを調べているとふと疑問に思うことはあっても

なかなか事情を知ることは難しいです。

今回はフィンランドに在住の介護士さんにお話を聞くチャンスがありました。

フィンランドと言えばムーミンの故郷でもあり、日本からは約10時間かかる遠く離れた国。

そして北欧の東に位置しているので、北極エリアにいけばオーロラまで見ることができるとても寒い雪国でもあります。

フィンランドの介護は日本の介護水準とも近いとも言われています。

しかし、高齢者の自立は日本より進んでいて、老後の介護を家族が行うという習慣も基本的には無いそうです。

そんなフィンランドの老人介護施設はどんなところなのか。

またそこで行われる介護には日本の介護との差はあるのか、

また介護士達はどんな信念を持って介護にあたっているのかなどをお話してもらいました。

(介護×医療のストロークでは、実際にそのお仕事についている現場の職員や業界経験のある方に、記事を書いてもらっています。)

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フィンランド介護事情を紹介

フィンランド

フィンランド在住:Lynnさん 30代後半介護士(24時間介護施設勤務)

私は現在フィンランドで介護士として働いている日本人です。

フィンランドで働きながら感じたその文化の違いや、介護についてお話したいと思います。

フィンランドで昔から愛されている文化の一つがサウナです。

ほとんどのフィンランドの介護施設には、入浴設備の一貫でサウナが設置されています。

サウナと言えば、健康な人が健康維持の為に入るイメージがありますが、

足腰も弱く、血圧などの問題も多い高齢者にサウナはお薦めできるのでしょうか。

私も最初はそう思っていました。

それぞれの国にそれぞれの文化があり、それぞれの国の習慣があります。

いくつになったって、慣れ親しんできたサウナに入りたいと思うのは当たり前です。

フィンランドでは高齢者も安全にサウナを楽しむ事が出来ています。

その習慣を目にした時、私は少し驚きましたがとても納得できました。

ただし、皆が皆自由にサウナを利用できるわけではありません。

介護施設では、サウナに入る許可が必要になって来ます。

介護施設でサウナを提供する理由

サウナを提供する理由

フィンランドではほとんどの方が、

赤ちゃんの時から又はお母さんのおなかの中に居る時から

すでにサウナに入った経験があります。

日本の浴槽のように、サウナはフィンランド人にとって欠かせない生活の一部になっています。

そのため、年を重ねてもほとんどの方はサウナに入りたいと思っている方が非常に多いのです。

サウナには、医師と家族の許可が必要になる

医師の確認は必須

フィンランドの介護施設では

本人の意思、医者の許可、家族の許可

の3つが揃えば、サウナを利用することができます。

意思の疎通ができない方でも、体が不自由な方も

医師の許可と家族の方からの許可が取れればサウナに入る事ができるようになります。

つまり、利用者のほとんどの方がサウナを利用できている状態です。

フィンランドの介護施設のサウナは一般家庭に比べて、とても広くできています。

サウナまでの移動に使用しているシャワー室用の車椅子や、ビニール製の介護ベッドは、そのままサウナ内でも使用することができるようになっています。

サウナは義務ではなくサービスとして利用される

フィンランドの介護施設では、週に一回ほどのサウナの日が決められています。

サウナの日の朝、介護士がサウナ希望者の確認をします。

フィンランドの介護施設は本人の意思を大切にします。

介護師が、一週間に一度だけだからと勝手に判断してサウナに連れて行くようなことはしません。

この辺も自立した高齢者という意味で、各自が尊重し合っているという考え方に基づいているのかも知れません。

もちろん、みなさん嬉しそうにサウナの利用を希望されます。

希望者には、朝食後数時間ほど休憩してもらいます。

その間に、私たち介護士はサウナ希望者の健康状態の確認を改めて行い、問題がなければ必要な身の回りの物を準備し、

昼食前にサウナへと移動します。

昼食後を希望される場合は、もちろんそれも可能です。

健康状態が一番ですが、サウナを健全に楽しんでもらう為には本人の意思もとても大切になります。

サウナ利用者の介助と注意点

注意点とは

フィンランドの介護施設の更衣室もとても広く設計されているので、ゆっくり慌てずに準備してもらえます。

付き添いの介護士は、サウナ利用者の人数によって変わってきますが安全上、一度に大人数でのサウナ利用はしません。

介護士2人、利用者2~4人ほどが通常ですが、シャワーベッドでの入浴、サウナ利用の場合は

介護士2人とシャワーベッド利用者のみになります

いくらシャワーベッドがサウナの中にも入ると言っても、それなりに場所を必要としますので、

このような場合は時間をずらします。

介護士は常にそばで見守る

準備ができると、

まずは簡単に体を洗ってから皆さんサウナに入られます。

その間介護士が必ずそばに付き添います。

サウナのドアはガラスでできているので、介護士がサウナの中に一緒に入って皆さんの安全を守る必要はありませんが、

それでもサウナ内での介護も必要となります。

サウナ内での移動や座るとき、特に立ち上がる時は注意が必要になります。

ふらつき、立ち眩みなどサウナ内では転ぶリスクがぐんと上ります。

危険回避のために見守りは徹底されています。

介護士の観察眼が事故を未然に防ぐ

サウナの介助は、上記の他にも注意点があります。

熱すぎる、そろそろサウナから出たいなどの大切な意識表示ができない方もいるので

こちら側がこまめに本人に聞く、観察する、場合によっては触診する必要があります。

サウナから出ると、シャワーで体を洗い更衣室で服を着て、水分補給をしてサウナ終了になります。

またその後も水分補給を各自部屋に戻ってから利用者に促しつつ、

私たち介護士も飲み物を部屋に置いておくなど

すぐに水分補給できる環境にします。

高齢者のサウナ利用は、相当のエネルギーが必要になりますので、利用後はほとんどの方が軽く睡眠を取られます。

サウナが高齢者にもたらすもの

寒いフィンランドで

サウナを利用した高齢者に共通している効果は、

精神的なケア、体も心もすっきりする事でのストレスの軽減だと思います。

気難しい方や、怒っていた方もサウナ後にはすがすがしい顔をしています。

今までサウナのある暮らしをしてきたのなら、施設に入ってからもできる限りは同じような生活習慣を与えてあげたいと言うのが

フィンランドの介護士達の想いです。

そしてフィンランドでは最も身近に、提供してあげられる介護サービスなのがフィンランドの高齢者の方たちの生活習慣でもある

サウナなのではないかと私は思います。

また、介護施設でのサウナは食の細い方たちには、食欲増加の効果も見られます。

すっきりした気持ちになり、さらにエネルギーも使っているのですから、お腹も減りますよね。

食事の量が若干増えてくれることも、高齢者に良く見られる嬉しい効果です。

フィンランドのサウナの習慣とはどんなものなのか

国民性とサウナ

フィンランドでは、高齢者でもサウナに入りたいと思うのが普通です。

それは文化であり、皆さんの生活の中に常にあったものだからだと思います。

私のような外国人では、高齢者のサウナ利用は危険なのではと避けてしまいがちですが、

ちゃんとした健康状態の管理の元なら、サウナもまた重要なケア要素になることを知りました。

なによりも、介護しているフィンランド人の方たちもサウナのプロですから、危険性も十分理解しています。

そこから生まれるプラスの効果もちゃんとわかっています。

特にフィンランドの冬は、寒く、長く、薄暗く・・・そんな中でサウナは大きな意味を持っています。

サウナは、高齢者に限らず個々フィンランドでは心の栄養になっています。

異国文化に触れながら色々な習慣を見てきましたが、サウナに向かう皆さんのワクワクしている顔、そしてサウナの後のあの満足そうな笑顔をみると、私もついつい嬉しくて笑顔になってしまいます。

こんな介護もあるのかと、日々とても勉強になっています。

 

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