尿道カテーテル利用者さんの介護で介護士に注意してほしいこと

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尿道カテーテルとは

※この記事はフィンランドでの介護を前提にしています。施設内での尿カテーテルの管理方法や、現在の日本の介護士に許された医療行為とは違いがあるということをご理解ください。

しかし、尿カテーテルにたいしての知識を深めることができる記事になれば幸いです。

尿カテーテルとは

(介護×医療のストロークでは、実際にそのお仕事についている現場の職員や業界経験のある方に、記事を書いてもらっています。)

自分で排尿ができない人は、専用の細い管を膀胱まで通し、管を通して尿を外に出す必要があります。

これが尿道カテーテルです。

排尿障害の原因は、男性の場合はほとんどが前立腺の障害によるものです。

施設利用者の排尿困難は、前立腺肥大により尿道が狭くなる、または完全に閉じてしまうことが原因であることが最も多いように思えます。

女性の排尿困難の原因は、男性の場合よりも幅広くいろいろな原因が考えられますが、施設利用者の場合は

・薬の副作用

・病気によるもの(膀胱結石、尿道結石、子宮の病気など)

・神経障害

・膀胱炎

※他にも、高齢者の方で排尿の感覚がつかめない方、オムツ利用者の尿検査の為の尿摂取のさいに、カテーテルを使って膀胱から尿を直接取る方法を行うこともあります。

種類や特徴

尿カテーテルの種類と特徴

尿道カテーテルには一度取りつけたらそのまま数カ月、付けたままにしておくタイプ(長期利用型)と、そのつど新しいものを使い、使ったら捨てるタイプ(使い捨て)とがあります。

長期利用の尿道カテーテルの場合、男性も女性も長さは同じです。

使い捨ての尿道カテーテルの場合は、女性用の方が男性用に比べて管が短くできていますが、介護士がどちらが使いやすいと感じるかにより、女性にも男性用の長い尿道カテーテルを使用することもあります。

私も経験上、尿道カテーテルは男女問わず長い方を使う方が楽であり、周りを汚すリスクも少ないと思います。

なぜなら尿は、尿道カテーテルが膀胱へたどりつくと、すぐにカテーテルを通り外に排出されるので、短いカテーテルだと、突然尿が出てくるので周りに尿が飛んでしまうなどのリスクがあるからです。

介護時の注意点

介護時の注意点について

長期利用のカテーテルも、使い捨てのカテーテルも注意点は同じです。

尿道を通る管の部分を触らないこと

綺麗だと思って使用している使い捨て手袋でも、必ず細菌が付いています。

その細菌が尿道を通り膀胱へ行き、そこで繁殖し膀胱炎、尿道炎などを起こす可能性があります。

特に長期利用の尿道カテーテルを使用、交換するときはさらなる注意が必要になります。

使い捨ての場合は、微量の細菌はその後自然に外に排出されることもあります。

しかし、長期利用の尿道カテーテルの場合はそうなるとは限りません。

入ってしまった細菌がそのまま体内に残ってしまう危険性があります。

長期使用の尿道カテーテルを挿入の際は、尿道カテーテルセットを使います。

尿道カテーテルセットは、使用の際必要な手袋、エプロン、専用ピンセット、保護ジェル、などすべてが無菌状態で1つのセットになっています。

必ず二人以上で行い、カテーテルを挿入する人、それを補佐する人に分かれます。

無菌状態の手袋を使用していても、何かに触ってしまえばそれはすでに無菌とは言えなくなってしまいます。

そのため、尿道カテーテルを挿入する人は必要以上の行為はしません。

カテーテルを清潔なまま挿入することだけに集中します。

陰部の消毒、カテーテルに保護ジェルを付けるなどの作業は補佐する人がすべておこないます。

長期利用の尿道カテーテルの挿入は、徹底した衛生管理のもと、行わなくてはいけません。

尿破棄時のチェック項目

 

尿破棄の時のチェックポイント

尿の量などをチェックする必要があるかは、その利用者がなぜ尿道カテーテルを必要としているかで変わってきます。

ただ排尿が困難なので、カテーテルで排尿する必要があるという場合なら、尿の量は特にメモしたりする必要はありません。

しかし、色、混合物はないかなどは尿を捨ててしまう前に確認するべき項目です。

他にも、夏場の尿の量などで体内水分の状態を大体は把握することもできます。

・尿の量が少ない

・色が濃いなど

ちょっとした異常が大きな病気や体調不良に繋がることもあるので、見逃さない事が大切です。

水分調整などの管理を必要としている尿カテーテル利用者の場合は、排出された尿の量を記入しておく必要があります。

色や、混合物の確認はもちろんのこと、他に摂取した水分も同じように記入して記録していく必要のある人もいます。

正しい知識と経験は、リスクを減らす

尿道カテーテル使用にあたって、とにかく大切なのは清潔であることです。

カテーテル使用者の細菌による膀胱炎、尿道炎などは、カテーテルを利用していない人に比べて多く見られます。

介護する側の正しい知識と経験で防ぐことのできるので、慌てずに介護にあたって欲しいと思います。

経験を積み、正しく素早く挿入できるようになることもまた必須になってきます。

女性の場合、さほど痛みを感じることはありませんが、男性の場合は鋭い痛みを伴う人がほとんどです。

さらに男性の前立腺肥大の場合は、カテーテルが通りにくく、なかなか膀胱まで届いてくれません。

そのため時間がかかったり、やり直しをしなくてはいけないこともあります。

高齢者の中にはその痛みや不快さから、暴れたり、拒否したりする人もいます。

なるべくなら一回で、さっと終わらせてあげたいものですが、これは経験を積むしかありません。

手から伝わって来る感覚で肥大している部分を感じたら、素早くカテーテルを奥へと通します。

全く関係のない、何気ない会話などで尿道カテーテル利用者の注意をそらしておくのもおすすめです。

緊張せず、リラックスしている状態の方が、カテーテルもスムーズに挿入されていきます。

高齢者の中には、認知症などにより理解ができず、長期間利用していると尿道カテーテルを引っ張ってしまう人もいます。

カテーテルが抜けてしまっていないか、捻じれてしまっていないかは頻繁に確認しましょう。

利用者になぜそれが大切なのかを説明し、出来るだけ本人が気にならないようにカテーテルをあまり肌に触れないようにする、動かないようにテープなどで固定するなどの工夫も大切です。

尿の溜まる袋は人目に触れないよう、布やタオルで隠します。

本人が気にしていない、またはそれが何か分からないという状態でも、介護士が周りの目を気にして配慮しておく必要があります。

尿道カテーテルは珍しいものではありません。

正しい知識と経験を積むのも難しいことではありません。

怖がることも、避ける必要もない介護行為です。

利用者からの信頼を頂くこともできますので、日本の介護でも行うこと機会があれば特別なことだと思わず積極的に経験していただきたいと思います。

この記事を書いたのは:フィンランド在住:Lynnさん 30代後半女性介護士(24時間介護施設勤務)

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