元ICU看護師の私がみたICUで亡くなる患者さんの最後と家族

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看護師や介護士などの医療者・介護者がほかの大きく仕事と違う点は、

「だれかの人生の最後に立ち会う可能性がある」

ということです。

もちろん、働く施設によってそのような場面に出会うかどうかは大きく違いますが、可能性はゼロではないという人も多いのではないでしょうか。

私は、看護師として4年半働いていた中でICU(集中治療室)での勤務も経験し、何度か患者さんの人生の最後に立ち会ってきました。

そのため家族がなかなか状況を受け入れるのが難しいという現状があります。ICUで出会った患者・家族の様子や、私が看護師として心がけてきたことをまとめました。

これから医療や介護でお仕事されるかたに心の準備として読んでもらいたい記事です。

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ICUの患者さんとの関わり

ICU はほかの病棟と比べると、入院してから亡くなるまでの経過が早いことが多いです。

20代前半、自分のプライベートでもそのような経験がない状況で、看護師として家族や患者さんとの死と向き合うのはなかなかなれず、先輩にいろいろ教えてもらいながら患者さんへの関わりかたを学びました。

ICUで人の死と向き合う場面とは

私が働いていた病院は、その地域の中でもかなり大規模の病院でした。そのため、県内各地の病気や事故の患者さんが運ばれてきていました。

ICUにおられた患者さんは、心筋梗塞、くも膜下出血、交通事故多発外傷(頭を打ったり、何か所も骨折したりしている)などでした。

「ICUに入る」ということは、「何かしら生命を左右するような治療をする」ということを意味します。

しかし、大きな手術や珍しい治療をしても残念ながら助からない方もおられました。

人が死を受け入れる過程

内科や在宅の場であれば、人が病気になってから亡くなるまでに時間があることも多いです。

看護の授業で習ったという方も多いと思いますが、アメリカの精神科医であったキューブラロスによると、人は自分の残された命が長くないと知ったとき、5つの段階をたどると言われています。

  1. 否認:「自分が死ぬなんて嘘だ」と疑う

  2. 怒り:「自分が死ななければならない」という気持ちを他人に攻撃的に向ける

  3. 取引:「死なないで済むならなんでもする」というように、何かにすがろうとする

  4. 抑うつ:「やっぱり死は避けられない」と受容し憂うつな気持ちになる

  5. 受容:穏やかに死を受け止められるようになる

参考:死の受容のプロセス

これは亡くなるときの過程と言われていますが、側にいる家族にも同じことが言えるようです。

ICUで亡くなる患者さんを前にした家族の様子

ICUに入られる患者さんの多くは病気などで意識がなく、自分で治療に対する意思決定ができません。

そのときは、家族による「治る見込みがあるなら積極的に治療してほしい」という思いのもとICUへ入室されます。

しかし、手術をしたが手遅れだったなどの理由で「治療をする」から「看取る」にシフトすることもあります。

そのときは、家族も患者さんと同じように始めは目の前の状況を信じられないと動揺することがあります。(否認)

ときには医療者に対していつもとは違う態度をとってしまうこともあります。(怒り)

しかしさまざまな経過をたどりながら時間の経過とともに少しずつ思いが変化していきます。

看護師としてベッドサイドから家族を見ていると、患者さんが入院してから亡くなって家に帰るまでの間ずっと悲しみに暮れている家族がいる一方で…。

入院が長くなるにつれて家族も状況を受け入れ、家族や親戚同士で患者さんを囲みながら笑って思い出話をしている場面もみることがありました。

ただ、受容の過程は患者さんの年齢や性格、家族との関係性について大きく異なりますし、医療者の前で見せる態度と本心が異なる場合も多いものです。

わたしたち看護師が家族の思いを探るには、時間をかけて総合的に見る必要があると思います。

やってあげたかったこと・できなかったこと

私が看護師として患者さんの死に立ち会う上で気をつけていたことは大きく次の3つです。

■できるだけ家族の話を聞き患者の状況を伝える

「人が亡くなる」という状況を受け入れるのは、簡単ではありません。

そのため、家族がどのように思っているのか面会中に話を聞くようにしていました。

具体的には、家族がいなかったときの状況を語ったり、家族が患者さんの状況を話されたときはそれに関連させて次に起こることについて伝えたりということです。

さらに、看取り方については家族が患者さんの意思を尊重して決定できるよう、医師と話す時間を作るように調整し、聞きたいことをすべて聞けるように声をかけていました。

■家族が患者さんとの思い出作りをできる環境を整える

ICU にいらっしゃった患者さんは、多くの点滴や呼吸器、心電図モニターなど多くの機械を使用していました。

そのため、「いつものお父さんじゃない」というような眼差しで見る家族も多かったです。「触って大丈夫か不安」ということも話されていました。

そのようなときは、手や足など治療に支障のない範囲で触れてもらったり、できるケアはしてもらったり(額の汗を拭くなど)していました。

■家族をいたわる

医師に、「ここ数日が山場です」などと言われた家族は病院の中に泊まり込みで過ごすことがありました。

そのときに不安なのは、「家族が疲れて倒れてしまわないか」ということです。

患者の状態が悪くいつどうなるか分からないという状況で、家族には精神的な負担がのしかかります。

しかし、「近くにいたい」と思ってベッドサイドにいる時間が長くなるあまり休むことを忘れ、体からのSOSに気づくのが遅れることがあります。

そのときは、「交代で休んでくださいね」と他の近い家族への関わりをしたり、休憩できる場所の提案をしたりしていました。

「もう少し早く家族を呼べばよかった」と後悔したことも

ICUの患者さんが亡くなる前は、血圧が低くなったり尿量が少なくなったりしますが、いつ心臓が止まるかは誰にも予測できません。

そのため、家族の自宅への距離や時間帯などを考慮し、「朝まで待ってから家族を呼ぼう」と思っていても血圧が下がって亡くなってしまったということもありました。

家族へ病院待機をお願いするのが早すぎると長く病院にいなければならず疲れてしまうかもしれない。

しかし、状態が悪くなってから声をかけると別れの時間が十分に取れないかもしれない。

という気持ちの葛藤がありました。

ICUの患者さんは心電図を使用しているので心臓が止まったのはすぐに分かります。

しかし、「機械に頼りすぎている」ことも感じられずにはいられませんでした。

命を救うための治療を行うICU。

そこで懸命な治療をしても残念ながら助からずにICUで看取ることになるわけですが、家族が患者さんではなく大画面の心電図に目がいっているのをときどき見ることがあり、

「ここでなければ(在宅などであれば)もう少し違う看取りができたのかもしれない」と思ったことがありました。

まとめ:人の人生の最後に関わるのは医療者の大きな役目

「人が生まれる、死ぬ」というのはどの人にも一生に一度しかない貴重な瞬間です。

そのような場面に職業上立ち会うこととなる看護師などの医療・介護者はとても大きな役割を担っているのだと思います。

それは患者さんにとって大切なシーンであるとともに、家族にとっては一生背負って行くことです。

家族が患者さんの死を受け入れられるのには個人差がありますが、少しでも後悔ないような別れをしてほしいという思いを忘れずに関わることができればと思います。

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