フィンランドの介護に必要な資格と介護スタイルの日本との違いは?

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フィンランドで介護の仕事につくならば、行くべき学校が二種類あります。

介護士として、薬や治療などにたずさわるか。ヘルパーとして医療以外のことを全面的にお世話するのか。

この医療行為が含まれるか含まれないかで、卒業すべき学校、職種が変わります。

この記事では実際にフィンランドで介護士と活躍している日本人が、福祉の推進国と言われる国の介護の仕事について解説しています。

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Avustaja(アブスタヤ)

アブスタヤは医療行為をしてはいけません。

アブスタヤは日本でいう看護助手・介護助手といったところでしょうか?

薬の知識、ケガや傷の手当の仕方などはアブスタヤの学校では学びません。

ヘルパーとしての基本的な日常のお世話の仕方のみになります。

介護施設であれば

●食事の介護

●身の回りの清潔を保つ(着がえ、オムツがえ、お風呂など)

●日常生活の手助け(歩行、移動)

●レクリエーションやリハビリ(自分が指導しながら行うこともできる。利用者が行っているのを助け支える)

他にもアブスタヤとして保育園や身体障害者施設などでも働くことができますが、共通しているのは医療行為はしてはいけないということです。

薬を利用者に飲ませるのにもフィンランドでは許可がいる

小さなかすり傷など、かんたんに手当てできるものはアブスタヤでもすることはできます。

しかしここでも介護士、看護師に確認してもらうのが大切なのです。

本当に大した傷ではないのか、それとも病気などが原因でそうなっているのかなどを診てもらいます。

責任を負うことができませんので、勝手に考え結論を出してはいけません。

ちょっと無責任な言い方になってしまいますが、医療の責任はアブスタヤにあってはいけないのです。

必ず他の介護士に聞き、医療に関して何かあったときの責任が自分にないようにしなくてはいけません。

薬を飲ませていいのかもまた、許可が必要になります。

薬を確認した人、または一緒に働いている医療許可を持っているスタッフから、その薬を与えていいと許可をもらいます。

そのため、施設によっては面倒にならないようにとアブスタヤは薬には触らないと決められている所もあります。

Lähihoitaja(ラヒホイタヤ)

ラヒホイタヤ=準看護師の学校を卒業。医療行為の許可を持っている。

介護施設で最も多いのが、ラヒホイタヤです。ラヒホイタヤの仕事は、アブスタヤと同じように日常を支えるものにプラスして

●薬の発注、管理

●病院の予約、医者の手配

●インシュリン注射、血管に刺さない注射(筋肉注射など)

●傷などの外傷の確認と処置

●カテーテルでの排尿処置

などの医療行為です。

しかし、ラヒホイタヤであればだれしも医療行為を行っていいのではなく、テストを受けることで施設から許可を貰わなくてはいけません。

テストは、薬に関する問題(薬の知識や、患者に合わせた薬の量の計算など)でパソコンを使って行います。

合否の結果はテスト終了後すぐにわかります。

合格していれば後日、合格証明書が職場か自宅へと送られてきます。

注射やカテーテルなどは、看護師とともに実践テストを行い合格することで許可がもらえます。

ちなみに私は、ラヒホイタヤとして介護施設に勤めています。

薬を扱う許可はテストに合格したので持っていますが、インシュリン以外の注射はまだ実践テストを受けていないので行うことはできません。

もし、必要な状況に出会ってしまったら、注射の許可を持っている他のラヒホイタヤに頼みます。

実践テストは看護師と共に一回と、施設責任者と共に一回の計二回行います。

フィンランドの介護スタイル

フィンランドでは、介護施設での24時間介護がほとんどです。

日本のデイケアサービスのように、日中の限られた時間だけ、介護施設にやって来てお世話になるということはあまりありませんが、日中に介護士が自宅に訪問して介護をすることはよくあります。

Kodinhoitaja(コディンホイタヤ)

コディンホイタヤは、介護施設と同じようなお世話を個人の家で行う介護士を指す言葉です。

日本でいえば訪問介護などを行えるのと同等の資格をもった介護士という感じでしょうか??

仕事内容としては

●通常介護

●薬の管理と確認 (必要に応じて担当医への発注など)

●食事の準備

●掃除や買い物

●病院への付き添い

●レクリエーションやかんたんなリハビリ(散歩など)

薬を扱うため、コディンホイタヤは通常はラヒホイタヤである必要があります。

薬の必要性がない場合、例えば体の衰えから掃除や買い物などが大変になったので助けがいるくらいであればアブスタヤでもコディンホイタヤとして働くことはできます。

しかし、この場合は介護士としてというよりは、生活ヘルパーとしてお手伝いをするという感じになります。

コディンホイタヤは基本的にはデイケアサービスになりますが、利用者が希望するか、利用者にその必要性があれば、介護士が泊りがけでお世話をすることもできます。

いわゆるサ高住?フィンランドのアパート型介護施設

他にもフィンランドには普通に生活をしながら、必要なときにはすぐに介護士が駆けつけてくれる日本のサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)のような、アパート型介護施設があります。

もちろん自分たちで中から鍵をかけ、プライバシーを自分たちで守ることもできます。

住居内には何かあったときすぐに知らせることができるようにボタンや内線電話が設置されています。

介護士がすぐ傍にいるという安心感のなか、いままで通りの生活を送ることができます。

フィンランドと日本の介護の大きな違い

フィンランドでは、日本のように身内の介護を家族の誰かがするということはあまりありません。

国の援助もしっかり受けることができるので、安心してプロの方たちに任せます。

そのため、身内を介護するという精神的なプレッシャーやストレスを個人で抱え込む必要はないのです。

しかし、介護施設が足りないので待たなくてはいけないという大きな問題もあります。

施設に空きができるのを待っている間は、日本の訪問介護のように、コディンホイタヤに来てもらい、自宅で介護サービスを受けることもできます。

わざわざ別々に暮らしていた家族が、同居を考えたりする必要もないのですが、もしも自分が介護される側だとしたら。

なんだかあまりにも家族と離され過ぎで、他人任せのような気もします。

もちろんプロの介護士のそばで安心して生活をおくれるのも大切ですが、精神的な支えになるのはやっぱり家族です。

しかしフィンランドでは、お年寄りの介護はプロに任せるというのがすでに文化になっています。

日本人の私としては、完全に他人任せにならない家族もそばに感じられる介護生活が理想だと思うのですが、すべてを完璧にそろえることほどむずかしいものはありません。

それでも、利用者の方たちはみんな満足しています。

それは、フィンランドの介護のレベルの高さと、長く続いてきたプロに任せる介護スタイルを利用者もその家族も、当然のことだと納得し受け入れているからなのだと思います。

この記事を書いたのは:姫岡 凜(ひめおか りん)

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